「価値」とはなんだろう

我々トリマーの「価値」とはなんだろう?
我々の提供するサービスの「価値」とはどれくらいだろう?
何年先までこのお店が続いているかわからないけど、我々は何を残せるだろう?
ふと、そんなことを考えていた。
今年の3月某日、とあるお客様がホテルとトリミングサービスをご利用してくださった。主にホテルをメインでご利用して頂き、不定期でトリミングもご利用されるお客様で、このコロナ禍という中で久々のご利用となった。その際に当店を凄く褒めてくださいました。
実はこのご利用をされる前に、「3月某日の別日程で預けたい」とお問い合わせがあり、その日が休業日で対応できる人員の確保もできなかったため一度お断りをしたのです。
そしたら「じゃあこちらの日程を組み直して別日でお願いするわね」と。
正直、その際のお電話での私の心境は「あぁ…申し訳ないことをしてしまった…」とお客様のご希望に添えなかった不甲斐なさ、申し訳なさが渦巻いていました。
ご利用当日に「わざわざ日程を変更して頂き申し訳ございません」と謝りました。
するとお客様は「うちの子はこのお店も、ここのスタッフさんも大好きなようなの。だからこの子はずっとここにお願いすると決めてるの。ここがお休みの時はどこにも預けず、我々もどこにも出かけずにこの子との時間を大切にして過ごす。ここにお願いできる時にお願いして羽を伸ばすと決めているの。それくらい私たちもこのお店やスタッフを信頼して任せているし、この子のためでもあるなと思っているから。だから謝らないで」と、言ってくださいました。
「いいお客様に恵まれているな。有難いな。やってきたことは間違っていなかったんだな」と思わず泣きそうになった。流石にお客様の前ではと思って根性で涙が流れるのを止めた。けど退店されてすぐに涙がこぼれ落ちた。
今だから言えること。オープン当初〜2、3年くらいは同業者や一部のご利用者様、その知人のような人らから嫌がらせを受けた。まるで「出る杭は打たれる」というのを見にしみて実感する時期だった。でも「そんなものは所詮雑音だ」と気にしないようにした。
それでも聞こえてくるものはある。何度挫けそうになっただろう。何度お店を閉めようと思っただろう。
自分を支えているものが何なのか今でもわからない。自分のことなのに。
でもこうして仕事をしている中でお客様の温かな応援や言葉。意見や評価。を貰えると嬉しくなる。もちろん褒められた方が嬉しいけども、否定的意見はとても勉強になる。
「この人にとってこのサービスはどうだったのか。どうしたら同じ間違いをせずに済むのか」など沢山のことを教えてくれる。
感じ方や言い方、受け取り方なども人それぞれ。万人受けするようなものはないなと思う。
私のやっていることは特殊だとも思うし、挑戦的だなとも思う。ちゃんと自覚している。
でもそれを認めてくれる、理解してくれる、評価してくれるお客様がいるから頑張れるし、間違っていなかったんだと確信が持てるし、真摯に向き合い続けたいと思う。
お店やスタッフが我々の「価値」を決めるのだろうけど、我々の「価値」を評価、理解、認めてくれるのはお客様なんだと思う。