ペットケアサロン BECK

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スタッフのゆる~いブログ

あの記事について書きます

2022.1.15
あの記事について書きます

 

年末にこちらの記事を個人の仕事用インスタアカウントにてシェアさせて頂き、「年始の落ち着いた時期に私や同期の経験談も補足しながらお話させてください」と言ったものの、お正月もそれなりに忙しくさせて頂きブログを書くのが今になってしまいました。お待たせしてしまい申し訳ございません。またインスタに投稿しようとしたところ文字数が多くなってしまいアップできなかったため、今回はこちらのブログにて書かせて頂きます。

まだ上記の記事をご覧になっていない方は是非ご覧になってからお読みください。

また今回のブログをお読み頂く前にご注意頂きたいのですが、多少荒い表現などを使用してしまう場面等あるかとは思いますが、決して特定の個人や団体を攻撃するものでも、批判や誹謗中傷をするものでも、不特定多数の方にこの意見を押し付けるようなものではありませんので、予めご了承ください。

「現状のトリミング業界はこんなもんだよ」程度のことを書き記すだけですので、少しでも知って頂けるような機会になればと思います。

では記事の順序に沿って、私や同期の経験談を補足しつつ、書いて行こうと思います。


私の営む『Pet Care Salon BECK』のトリミング料金(基本料金)は恐らく市内でもトップ3には入る設定かと思います。この地域では高めの設定であると自負はしておりますので「高いなー」と思うお客様も中にはいらっしゃるかと思います。お問い合わせの段階で「高いんだね」って言われることも多々あるのですが(・・;)当店で扱っている商材などのコストや、スタッフにちゃんとしたお給料を払うことを考えると、これでも赤字にならないギリギリのラインかなと思います。健全な運営をしていくには正直心許ないというところではあります。

今現在の料金でトリミングサロンを運営していくことを考えると、今後仕事として成り立たない、成り立たなくなりつつあるサロンは多いかと思います。

私の個人的な今後の考えを先にお伝えすると、「今後”ペット”に付随するあらゆるサービスが(大幅に)値上がりする」と思っています。

まず年々、飼育頭数という者は減少傾向にあります。ですが減少とともにサービスの質や、ペットのQOLは向上している反面もあります。そもそもの分母が減少しておりますので「以前のような価格帯での提供が難しい」というのがネックではないでしょうか。また動物愛護法の改正により繁殖業者などが常に保有できる頭数に制限ができました。(分母は減るというのが目には見えているのですが)こちらに関して言えば、今回、明確な数字が提示されたことはいいことだとは思います。無闇矢鱈な繁殖が行われない、ブリーダーの崩壊を未然に防ぐなどが主に考えられるわけです。しかし、この改正が発表された当時あるニュース番組で調査をしたところ、「今後も営む」、「廃業予定、もしくは検討をする」という答えが半々でした。つまり、そのニュースが発表された当時に、「今後保有頭数が制限されれば現価格帯ではやっていけない」と半分の業者が考えたということです。それくらいシビアな問題です。ですので今後ペットの生体価格から順に徐々に上がっていくと私は考えています。一個体当たり100万円を超えるというのも、そう遠くない未来かなと思っています。

他にも税制面や物価の高騰などの複数の要因も勿論あると思います。

今現在も安価な料金帯で運営しているところの殆どは10年以上も前のペットブームで「分母が多く、とにかく数をこなす」という環境下や設定であったがために成り立っていたものであるとまずは念頭に置きつつブログを読み進めていって頂けると幸いです。

 

少し脱線をしてしまったのですが、記事の内容に戻っていきましょう。

 

現行の価格帯でトリミング業務のみでお店を運営できているとすると

①一頭あたりにかける時間が極端に短く、とにかく数をこなす

②店舗が持ち家などの理由で、固定費が極端に少ない環境下にある

③従業員の労働環境が悪い

④赤字ギリギリ、もしくは赤字

⑤人を雇用せず一人で運営している

ということが主に考えられます。

 

①は、「商売は数売ってなんぼ」ですから経営的には正しい判断と言えます。ですが、我々は”生き物”を扱っていますし、近年では「ペット」という立ち位置から「家族」という位置づけに変わってきたと認識しておりますので、私は「その子それぞれとちゃんと向き合いたい」という考えです。作業にかかる負担やストレスといった面も考慮すると時間をかけてでも丁寧に作業を行いたいので、私の考えや、お店のコンセプトには当てはまりません。

②は、記事の通りだと思いますので補足などせず割愛して次に進みます。

③は、今あるほとんどのサロンが下記に記されている何かしらの項目、もしくは全てに当てはまっている可能性があります。

※書くことは記事とほぼ同じことですが、重要な部分ですので復唱しつつ、補足を入れていきます。

・最低賃金を下回っている

・残業代や休日出勤手当がない

・タイムカードがない

・休憩時間の不足

・正社員としてではなくパートとして雇い、暇な時には休ませる

・正社員になると(サービス残業、休日出勤、休日不足などの)時間の概念が消失する

・正社員になっても社会保障などがない

・雇用保険すら加入していない

・雇用契約書?何それ?

・有給?何それ?

・産休、育休?何それ?

・労働基準法という概念がない

などが主な具体例ではないでしょうか…。

私が学生時代に1年間バイトをしたとあるサロンさんは、私がその当時把握していただけでも上記の半数以上に該当していました。

また、学生だった頃に週5〜6日フルタイムで働いて月7万円なんていう悍ましい求人も目にしました。学生ながらに「割りに合わないなー。一人暮らしはおろか、人としての最低限の生活もできないよ」と思ったのを今でも鮮明に覚えています。

社会に出る前に、学生ながらこの業界の実態を嫌でも知ることになりました。先に知れただけまだマシだったのでしょうか…。今でもそこに関してはハッキリとしたYESもNOも言えません。2年生になるとインターンが(正確には1年の春休みから)あり、各々サロンや動物病院などにいき就職活動を行います。各々行く場所で環境は異なりますが、それぞれで様々なことなどを経験し、それぞれが思い悩んだことと思います。私のクラスは入学当初25名(男性3名、女性22名)いました。卒業を待たずして学校を去った者もおり、卒業時には22名でした。その内、トリマーとして就職したのはその半分の11名でした。残りの11名は一般職に就職を。一般職の方が雇用条件やお給料面などもよかったですし、やり甲斐だけではどうにもできない部分もあるので、その選択をした者の気持ちもわかります。トリマーとして就職した11名で未だにトリマーを続けている者は私が把握している限り片手に収まる人数です。この業界を去った者も理由は様々でしょうが、主な理由は「職場の(雇用条件などを踏まえた)環境」、「心身の限界」、「結婚や出産」かと思います。

トリマーは特に女性が多い職業です。私のクラスも先程お伝えしたように25人中22人が女性でした。産休や育休の制度がなかったり、あっても子供を育てて行くには不十分な賃金などが理由で、結婚や出産を機に離れる方が多いです。そしてそれを機に離れた方が戻ってくることもやはり少ないのが現状です。お客様からしても比較的若いトリマーさんしか見ないんではないでしょうか?特に40代以降は極端に少ないかなと思います。1日立っぱなしの仕事だったりもしますし、抱き上げる際にかがんだり、シャンプーの際に腰を曲げたりなどなど…体を酷使する場面が多々あります。スポーツ選手と同じで「体が資本、若いうちが華」みたいなのを未だに感じます。幸い同期ではまだ聞いていませんが、体にガタがきて退いた先輩方も知っています。

少し脱線するのですが、私は1年間バイトをしていたお店から内定を頂いており就職予定でしたが、社会に出る年の3月末に「社員が足りているから」と理由で内定を取り消されました。それから就職活動をしたとして、面接時に「在学中何してたの?」なんて言われるのは目に見えていましたし、「これこれこういう理由で今就職活動をしています」とわざわざ言うのも嫌だし、変に同情されるのも嫌だったので就職活動をしませんでした。それが一番の理由ではあるのですが、まあそれはさておき…。暫くは学生時代に貯めたアルバイト代で生活をし、貯蓄がなくなってきた頃に「このままではいけないな」と思い、行動し始めるわけです。そもそも「愛犬に対して自分ができる選択肢を増やそう」と思い、トリミング技術を学ぶために入学したので、1年生の時は少なからず「トリマー」という仕事に就くことは考えていませんでした。2年になってから「仕事にしてみようかな」と思い始めて「いつか自分のお店を持ちたいな」と思うようになりました。就職するという選択肢もありましたし、両親も多分それを望んでいましたが、私は「今自分のお店を作ろう」と考えました。「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を叶えるのが”遅い”か、”早い”かの違いだし、挑戦してダメなら自分もこの業界に対してキッパリと諦めがつくと思い、この道を選びました。私のお店作りは、いつか「人を雇う」ことを想定していたためそれなりに広いお店を作りましたし、私が雇用される側だとして「働きたい」と思うような条件にしているためそれなりに条件は良いと自負しています。恐らく県内でもかなり上の方だと思います。スタッフも気持ち良く働けているのではないかなーとは思っているのですが、よかったら今度私がいない時にコッソリHosodaに聞いてみてください(笑)そして今度はそれを私にコッソリ教えてください!改善できるとこはして、より良い環境にはしてあげたいので…。思っていることを素直に言いづらい子ですし、多分面と向かっては言いにくいと思うので(笑)私にもっと物事を言いやすい環境を作ってあげれればいいのですが…力不足です…。

少し逸れてしまったんですが…。

④は、③を守り、誠実なところほど陥りやすいです。「サービスや人員を徐々に縮小していき、いつの間にか閉店」とか「この店、あんなに繁盛してたのに何で閉店しちゃったんだろう…。」がやはりよくあるパターンですね。

⑤は、記事にもある通り、人件費などの固定費がかからないため料金を安く設定したとしても運営していける強みがあります。しかし、一人で営んでいると怪我や病気、妊娠などでトリミングができなくなる場合があります。そうなった場合に飼い主さんが路頭に迷う可能性はあるので、お店側は安心して紹介できるお店を見つけて準備しておくことが必要ですし、利用される方はそういう場合も考慮して別のサロンを探しておくことが必要です。勿論、それによって離客は起こりうるので、頭を抱える悩ましい種の一つではないでしょうか。最近では妊娠、出産を機に自宅の一角にスペースを設けて、知り合いだけとか、ご近所さんだけとかにお客さんを限定して、空き時間に細々とお小遣い稼ぎ程度に…とお店を構える方も中にはいるようです。


問題提起されているようにやはりネックな問題は③ですね…。記事や私が補足した部分も含めですが、そういった悪循環に陥っているのが現状だと思います。私の同期をみても、明確な人数は明言していませんが、25人中20人はこの業界とは全く関わりのない仕事をしています。一度離れた者も戻ってきていません。若い時はバリバリ働けるけど、歳をとるごとに体力などは衰え、無理ができなくなってきます。収入も増えず、低賃金。ボーナスがないとかもザラです。社会保障もない。ハッキリ言うと悲惨な状況です。

私も体にガタがきたらいよいよそこまでですが、何とかこのお店に携わり続けるように今模索したりしています。

消費者側からしたら「高い」と言われてしまうかもしれませんが、それでも成り立たなかったりするのが現状です。その「高い」と言われる料金でもギリギリだったりするのです。

動物病院の料金も「高い」と言われる世の中ですが、私はむしろ逆です。トリミング業界と同じように安いです。安すぎます。人間の病院と違い、まだまだ専門医が少なく、獣医師一人であらゆる症例を扱うわけです。それも人間よりはるかに小さな体の生き物を。もっと評価されるべきですし、もっとちゃんとした対価を支払われるべきなのです。

お店を始めた当初ですがボロクソに言われたことがありまして、「父ちゃんは1,000円カットなのにこんなに高いのね…。」とかね、まあ皮肉混じりで言われたりするわけですよ。内心は「目から上の毛だけを洗って乾かして切るだけなら1,000円どころかワンコインでもええけど、実際は爪も切るし、肛門腺も絞るし、全身毛に覆われているから全身洗って全身乾かして全身カットするから1,000円は無理!潰れる!」と思いつつも、何も言わず苦笑いで返しましたが…。

正直健全な仕事として、健全な運営をしていくことを考えれば、時間単価が最低限5,000〜6,000円の仕事にならなければなと思います。この業界が衰退していくか、発展していくかは現段階では何とも言えないですね。ただ今の料金で成り立たず値上げするところや、閉店するところはどんどん出てくると思います。私がトレーニング関係を学び終えてお店に取り入れる際には、トレーニング単体でもそのくらいはちゃんと設定しようかなと思います。

当店の金額でもお任せ頂けるお客様が沢山いらっしゃるのでスタッフ一同、誠心誠意、一生懸命向き合い続けます。

当店では指名料を追加することでスタイリストの指名ができます。指名制をお使い頂くと指名スタイリストに指名料が丸々お給料に換算されます。「この人にうちの子を任せたい」というお客様は是非応援の意味も込めてご利用して頂ければと思います。スタイリストのモチベーションにもなりますので。


再度ご注意頂きたいのですが、今回の記事は決して特定の個人や団体を攻撃するものでも、批判や誹謗中傷をするものでも、不特定多数の方にこの意見を押し付けるようなものではありません。

多少荒い表現などを使用してしまった場面もあるかと思いますし、書いている側も、読む側も、正直気持ちの良い内容ではなかったと思います。私の不徳と致すところでございます。申し訳ございません。

「現状のトリミング業界はこんなもんだよ」程度のことを書き記しただけですので、少しでも知って頂けるような機会になれば嬉しいです。

長くなりましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。