ペットケアサロン BECK

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BECKからのお知らせ

お客様の質問にお答えします

2023.1.19
お客様の質問にお答えします

先日とあるお客様と、「サロンでおやつが食べられること」のメリットについてお話しする機会がありましたので補足もつけて今回は少しブログを書こうかなと思います。

 

お預かりする(飼い主様がいない)時間の中で「食事ができる」、「排泄ができる」、「飲水ができる」、「休むことができる」etc…。といった行動は「お店に慣れてきた」といった評価をすることのできる項目になります。

これらの「目で見てわかりやすい行動」は飼い主様にもお伝えしやすいです。

もっと細かく見れば動物はそれぞれの仕草で会話をしています。これらは専門書などを読んだり、コンマ何秒で移り行く行動を観察できる目を養わなければいけません。が、まぁそれは追々別のブログでおすすめの専門書のご紹介と共に書きますね。

緊張していたり、不安や恐怖、嫌悪感を抱いたりすると、こういった日常的な行動ができなくなってしまう生き物です。こういった行動ができなくなってしまうと基本的に「それらをするだけの精神的余裕がない」ということになります。

極論のような例え方をしますが…

お店を”檻”として考えた時。自分(ペット側)の意志関係なく連れてこられ、飼い主もおらず、逃げ場もなく、暫くの間(時間的)拘束をされ、自分より体の大きな人に触られるなどされるわけです。

これを我々人間に置き換えて考えてみましょうか。

ワニやライオンの檻に(自分の意思ではなく)閉じ込められ、逃げ場もない状態でご飯が食べれますか?

余程のことがなければ食べれないと思います。

じゃあこの状況に一つギミックを足してみましょう。

ワニやライオンがいる檻の中にはいますが、あなただけは四方八方が防弾ガラスで囲まれています。

この状況であれば食べれるようになる人はかなり増えるんじゃないでしょうか?

これは「最低限の安全を確保できた」ということです。前述になぞるのであれば「食べることができるだけの安全を確保し精神的余裕ができたから食べることができた」ということです。

ですのでサロンやホテルで、おやつやご飯が食べれるということは利用する上でとても重要な判断材料です。

当店のホテルサービスで(ご新規様には特に)事前のご来店をお勧めしている理由の一つです。

飼い主がいない状況で、飼い主以外から与えられて食べれるのかも見ますが、その子がどんな子で、どういうことが好きで、嫌いで、スタッフやお店に慣れてもらって…など諸々したいんです。

ご新規様でよく言われるのが「今まで利用してたところでは全く問題なかったです」という言葉です。

ごめんなさい。当店はその言葉を信じていませんし、鵜呑みにもしません。

先の例えに当てはめるならば、今までは”安心できた檻”から別の何もわからない檻に移されるんですよ?

食べない子もいて当たり前です。過去にその文言で事前来店を実施されなかった方もいましたが案の定ご飯を食べませんでした。

ですので当店では最初から無闇矢鱈に触れたり、近づいたりもしませんし、トリミングも最初から完璧は求めません。まずはその環境に慣れるところからです。

食べられることの最大のメリットは「変化が見れる」とこにあると個人的に考えています。

爪切りの時は食べれないけど、ブラッシングの時は食べれらる。ブラッシングの方が精神的負担(ストレス)が少ないわけです。

ドライヤー強風は食べれないけど、弱風にすれば食べられる。同じドライヤーでも風圧の強弱でその子にかかっているストレスがわかります。

得意、苦手意識のない作業では普通に報酬のおやつを食べてくれるのに、特定の苦手な作業ではおやつを食べてくれないなんてことはいくらでもあります。「得意」と「苦手」の区別ができますし、もっと言えば「苦手」の中でも、どの程度「苦手」なのかという強度が見れます。

だからその子に無理をさせない選択ができます。

専門書に書かれてるようなボディシグナル(ストレスサイン)を読み取れるようになればもっと精度が高い選択ができます。

これらができると苦手を苦手のまま、嫌いを嫌いのままにしないことだってできます。

”爪切り”というと皆さん「4本の足、指4本、計16本(狼爪があれば+数本)切る」と普通なら考えると思います。

物凄く爪切りが苦手なワンちゃんがいたとして、当店ならこうします。

一先ずは食べれる環境を作るのが最優先。

その上で、指1本の爪切って終わり。即おやつ(ご褒美、報酬)です。まだいけそうなら、もう1本。即おやつ。…。

飼い主さんが散歩の時間確保できるのであれば、散歩してもらってアスファルトで自然に削ってもらいます。削れない狼爪だけ切りましょう。必要最低限の爪切りで済みます。

「いつもは16本切られてたのに1本で終わったし、おやつももらえた」、「あれ?いつも爪切られるのに切られなかった」って思えたら、今までに比べて爪切りに対しての印象良くないですか?

それで苦手や嫌いを克服できている子が当店には沢山います。

この前はこれしかできなかったけど、今回はここまでできた!凄い!ってなったら成長を感じれて嬉しくないですか?

そこらへんの考えや手段を持ち合わせはいますがまだまだ世間に浸透していないことなので、飼い主様との意見の擦り合わせや、理解の共有が難しいなと思うことが多々あります。

私にしても、どう伝えたらこの人に一番伝わるだろうという言葉や言い回しの引き出し(バリエーション)、信頼関係の構築とコミュニケーションの質などなど…挙げだしたらキリがなさそうなのですが至らず未熟なところが沢山あります。

先日、関西で仲良くさせていただいている尊敬する大先輩に「よく今からトレーナーの資格取ろうとしてるね。何でなん?歳も歳やし俺なら無理やわ」って言われました。

その時、その問いかけに対して明確な答えを伝えられなかったんですが、

そんな中でも日々沢山の学びがあり、こうしたらいいかなと試行錯誤したり、これ勉強したいなと思うキッカケ、それらに対する喜びがある。

お客様や先輩方に育てていただいているんだなと感じると共に、それを返していける(還元できる)プロになろうと思わせてくれる人たちに囲まれている。

これがきっと今の私の原動力なんだろうなと今こうしてブログを書いていてふと思いました。

その先輩は私が思うにとてもトークスキルに長けた人です。その人のトークスキルを盗みたくてサシ飲みとかもしてるんですが、先輩の偉大な背中は大きくてまだまだ遠いな…と痛感してます。あと高身長イケメンだから腹立つ。あれで4人の子供のパパとか反則だろ。まだ20代に見えるんだけど…。不公平な世の中だ。

と、まぁ…。こんな小生意気な私をとても可愛がってくれるので、私はかなり恵まれた環境にいるんだなと思います。(勿論、お客様にも恵まれていますが…)

今思えば、今仲良くさせていただいている先輩方の8割〜9割はこの兄やんが繋げてくれた人たち。嗚呼、今までのことを思い返したらダメだ…泣きそう…。今度会った時にちゃんと「ありがとう」って伝えよう。今更小っ恥ずかしいけど…。そうだ、お酒の力も借りよう。気付かないうちに先輩からこんなに沢山のものもらってたんだな…。恩返しできるように頑張らないとですね!

まだまだ書きたいことはあるんですがこれ以上書くとキリがなさそうなのでここで一区切り…。

私の学びはまだまだ終わりそうもありません。歩みを止めるなぁぁぁあああ!(発狂)

※ご褒美や報酬と表していますが専門的用語を使うと正しくは「強化子」と言います。気になった方は後々のブログでも書く場合があるのでぜひ調べてみてくださいね!

以前「もぐトリ」に関してのブログを書いていますのでよろしければそちらも参考にしてみてください。